データドリブンなECサイト運営へ! Looker Studioで在庫・受注・発注状況を可視化する方法
ECサイト運営者の皆様、売上アップや業務効率化のために、日々のデータをどのように活用されていますか? 多くのデータは宝の山ですが、そのままではなかなか活用しづらいものです。
そこで今回は、GoogleのBIツール「Looker Studio(旧Googleデータポータル)」を活用して、ECサイトの重要な指標である「在庫」「受注数」「発注数」を分かりやすく可視化し、データに基づいた意思決定を支援する方法をご紹介します。
データを「見える化」する第一歩:可視化項目の整理
Looker Studioで効果的なダッシュボードを作成するために、まず「何を可視化したいのか」を明確にする必要があります。
サンプルダッシュボードの作成
まずは、具体的なイメージを持つために、簡単なサンプルダッシュボードを作成してみることをお勧めします。例えば、
- 現在の総在庫数
- 各倉庫別の在庫数
- 売れ筋商品の在庫状況
- 受注数の推移(日別、週別、月別)
- 今後の受注予測
- 発注残の状況
といった項目を盛り込んだシンプルなダッシュボードを作成してみましょう。
可視化項目のヒアリングと決定
サンプルダッシュボードを叩き台として、ECサイトの運営に関わる様々な担当者から「どんなデータが見たいか」「どんな情報があれば意思決定に役立つか」といった要望をヒアリングします。
例えば、
- 「在庫切れを起こしやすい商品の傾向を知りたい」
- 「どの倉庫の在庫が過剰になっているか把握したい」
- 「キャンペーンの効果を受注数の変化で確認したい」
- 「将来の売れ行き予測に基づいて発注数を調整したい」
といった具体的なニーズを吸い上げ、最終的に可視化する項目を決定します。
様々な場所に眠る在庫データを集約
ECサイトを運営していると、自社倉庫、中国倉庫、物流倉庫(RSL)など、複数の場所に在庫情報が分散していることがあります。Looker Studioでこれらの情報を一元的に可視化するために、まずはデータを集約する必要があります。
自社倉庫・中国倉庫の在庫:スプレッドシートとBigQueryの連携
もし、自社倉庫や中国倉庫の在庫情報をスプレッドシートで管理している場合は、そのスプレッドシートとGoogleのデータウェアハウス「BigQuery(BQ)」を連携させることで、Looker Studioで分析可能なデータソースに変換できます。
スプレッドシートのデータをBigQueryに自動的に取り込む設定を行うことで、常に最新の在庫状況をLooker Studioで確認できるようになります。
RSL(楽天スーパーロジスティクス)の在庫:API連携
楽天スーパーロジスティクス(RSL)の在庫情報をLooker Studioで可視化するには、RSLが提供するAPIを利用します。
まず、RSLのAPIから必要な在庫情報を取得するために、
- 必要カラムの定義: どの項目(商品コード、在庫数、ロケーションなど)を取得したいかを明確にします。
- クロスモールAPIの調査: RSLの在庫情報をクロスモール経由で取得できるAPIがないか調査します。もしあれば、そのAPIの仕様に従って連携設定を行います。
API連携を行うことで、RSLの最新の在庫状況もLooker Studioのダッシュボード上で確認できるようになります。
受注数の推移と予測を把握
過去の受注データや今後の受注予測を可視化することで、需要の変化を把握し、適切な在庫管理や販売戦略に役立てることができます。
必要カラムの定義
受注数を分析するために必要な項目(注文日、商品コード、数量など)を定義します。
過去の受注数連携
過去の受注データをLooker Studioで利用できるデータソース(BigQueryなど)に連携させます。これにより、期間ごとの受注数の推移や、売れ筋商品のランキングなどを可視化できます。
今後の受注数連携
もし、将来の受注数を予測するシステムやデータがあるのであれば、それらのデータをLooker Studioに連携させることで、より proactive な在庫管理や販促計画を立てることが可能になります。
Looker Studioでダッシュボードを構築
集約したデータをもとに、いよいよLooker Studioでダッシュボードを作成していきます。
在庫ページの実装
- 各倉庫別の在庫数をグラフや表で表示
- 在庫切れ間近の商品をアラート表示
- 売れ筋商品の在庫推移を可視化
受注ページの実装
- 日別、週別、月別の受注数をグラフで表示
- 商品別の受注数ランキング
- キャンペーン期間中の受注数の変化を可視化
発注数ページの実装
- 発注残の状況を表示
- 推奨発注数を自動計算して表示(もし連携可能であれば)
- 発注リードタイムと在庫状況を考慮した発注計画の可視化
UI調整
ダッシュボードが見やすく、直感的に理解できるように、グラフの種類や色、配置などを調整します。フィルター機能や期間指定機能などを実装することで、より詳細な分析が可能になります。
マニュアル作成
作成したダッシュボードの使い方や、各項目の意味などを解説したマニュアルを作成します。これにより、担当者間で共通の理解を持ち、 эффективно にダッシュボードを活用できるようになります。
データ可視化で、より賢いECサイト運営を
Looker Studioを活用して在庫、受注、発注状況を可視化することで、ECサイト運営者は勘や経験だけでなく、データに基づいた意思決定を行うことができるようになります。
- 在庫最適化によるコスト削減
- 機会損失の防止
- 需要予測に基づいた効率的な仕入れ
- 販売戦略の改善
など、様々な効果が期待できます。
ぜひ、Looker Studioを活用して、データドリブンなECサイト運営を実現してみてください。